私もトップ競技者としてやっていたときにはテーピングをしていた。若いころのことである。
捻挫をし、それを予防するあために足を固めて走る。そしてまた捻挫をする。
あるときテーピングをやめた。練習の際もレースの際もしなくなった。その後ずっとそうだ。なぜならばひどい捻挫をしなくなったからである。足をひねることはある。でも大事には至らない。
テーピングをするということは足の動きを制限することである。関節の動きを制限することは筋の働きをも制限する。それは全身を使った時とは異なり、特定の筋肉に負荷をかけることとなる。
捻挫をするということは単に関節が強いか弱いかだけではない。捻挫をしにくい足の使い方、捻挫に至りそうな状態になった時の体の動き等全身の活動がその原因になる。時には捻挫をしないように倒れてしまうことも必要だ。
森を走りなれていない人と走り慣れている人ではどちらの捻挫の危険性が高いだろうか?
森のオリエンテーリングに必要なランニングテクニックは不整地を走ることで身に付く。みんなが無視しがちだか、森を走る意味は、ナビゲーションテクニックの問題だけではなく、フィジカルな問題でもある。捻挫をしやすいのならば走り方を変えるべきだし、それを学習するには不整地を走るしかない。
もちろん森の初心者がいきなり速く走ればその能力はないのだから、捻挫をする危険性は高い。ただ幸い、初心者は初級者は技術的にも森を速く走れない。技術向上とともに走るスピードを上げていけばよいのだ。
なぜ森が速く走れないか。もう一度考えてみるとよい。森で走る方法はロードとは全く違うのだ。テーピングをすることはほかの大事な何かを捨てているのかもしれない。
もちろん、大きな捻挫をした後、腫れが引いていない状況ならば筋肉はまともに働かない。その状態で森を走るのは自殺行為だ。その時どうしてもレースをするならテーピングは必要であろう。またリハビリの過程で利用することもある。
他のことでもそうだが、当然のようにそこにあるものを受け入れるのではなく、その意味を考えよう。そして自分なりの決断をする。そのあとどうなるかは誰のせいでもなく自己責任である。そう考えることで常に成長できる。勝利者は常にそう考えている。
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