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2014年08月09日

動機づけ

成功する競技者が、そのスポーツを行う動機はそのスポーツそのものにあり、自分の内から生まれるものである。内なる動機のないところに成功はない。それがなければ単調な繰り返し練習にはとても耐えられないからである。

香港コーチングクリニックの講師であるヨランが書いた文書に以下のようなものがある。

「競技志向型のオリエンティアもまたこのスポーツを楽しむが、結果よりむしろ同じスポーツを楽しむ仲間との関係をつくることにより興味があるオリエンティア達とは違った振る舞いをする。
彼らは競技会に関連する方法で一生懸命練習し、準備にたくさんの時間を費やし、最善を尽くすための助けになるどんな些細な情報でも求め続けるのである。」

楽しいから一緒にやろうよという言葉や、私も行くから一緒に行こうよという言葉は、大学のクラブの勧誘ではいいかもしれないが、世界大会に誘う言葉としては全く不適切である。
特に競技に興味を持ちだした大事な時期の若手にそういう誘導を行えば、彼らは競技そのものでなく、仲間づくりへの動機づけを助長され、競技への真摯な態度をスポイルされる。そうして育った選手は同じメッセージを次の選手に発信することとなる。それではハードなトレーニングを続けるのは不可能であり、そんなメンタリティでは本番で良い結果を残すことはできない。
世界大会へのハードルは近年とても低くなってしまった。毎年のように多くの選手が日本代表を名乗り世界大会に参加する。オリエンテーリングを初めて1年2年の選手が、大した努力も経験しないまま、少なくともその年代では最高の舞台に立ってしまう。そんな状況で努力を続けるモチベーションは高まるのであろうか?
もちろん、選手に罪はない。チャンスがあれば出たいと思うのは当然のことである。若手に経験をさせること自体は大事である。しかしその場合組織がもっとも重要視すべきは結果でなく、その経験をいかにトレーニングへの動機に転換させるかである。実際に競技をするのは組織でなく、選手だからだ。
選手は日本代表という位置を与えられれば、その責任感で頑張るかもしれない。みんなから賞賛されもっとやりたいと思うかもしれない。しかしそれらは外からの動機であり、大会で(ほぼ当然のように)痛い目にあったり、時期が過ぎてしまえばすぐしぼんでしまうものだ。結果ではなく、もっとうまくコントロールにたどり着けたら楽しいだろうな、とかもっと速く強く走れたら楽しいだろうな、このコントロールはうまくいったからこれをすべてのコントロールでやるにはどうしたらいいだろうか?とかそういったことに目を向けさせればおのずと彼らは努力し、成長していくであろう。
こうした動機さえ持っていれば受験や就職活動・卒業による引退で一時期離れようが、いずれオリエンテーリングに戻ってくる。オリエンテーリングはそれだけ楽しいのである。

 コーチの仕事は選手が最高のパフォーマンスを行う助けをすることである。
オリエンテーリングにおいてはその本質は大会時に作戦を考えたり、アドバイスを与えたり、良い環境を整えることではない。なぜなら、オリエンテーリングは本質的に個人のスポーツであり、競技においても練習においてもほとんどの判断を自分で行う必要があるからだ。選手はどんな悪条件でも自分の力をだせるためにハードなトレーニングを継続しなければならない。それを支えるための動機を如何に生み出し維持させるかが、コーチに要求されるもっとも重要な仕事なのである。
posted by べん at 17:23| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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