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2018年05月07日

ルールに則したコースを作ってください。

東工大大会が終わりました。学生さんが公認大会を開くという意欲はすばらしいと思います。
一方、コースはルールに則しているかどうかという点で公認大会にふさわしいものではありませんでした。
そんなことをいうと公認大会をやってくれるクラブがなくなるといわれそうですが、だからといってルールを無視(もしくは軽視)したコース設定で、日本のオリエンテーリングをガラパゴス化していいというものではありません。特定に大会について話をすることは個人攻撃みたいで心苦しいのですが、これがJOAの周知の不徹底による結果であるのであれば、この場で皆さんに理解していただくことが大事だと思いますので書かせていただきます。
東工大のみなさんには全日本に合わせて公認大会を開いていただいたことには感謝していますし、特定した記事を書くことについては申し訳なく思います。

コース設定者は最低でも以下の文書をあらかじめ読んで理解してから行ってください。

1.コース設定の原則
 2.3にコース設定の大原則があります。このうち、2.3.1のオリエンテーリングの特性については多くの方が意識するでしょうが、スポーツとしては2.3.2、生涯スポーツとしてしては2.3.3のほうがはるかに大事です。
特に2.3.3は軽視されがちです。若い方は同コースを走るベテランの方のほうが遅いため、ベテランクラスの難度を下げがちです。 しかし、彼(彼女)らが遅いのは体力が落ちているからで、技術に関しては総じて経験値の高いベテランのほうがすぐれているこということ、難易度は21Aからは落とす必要がないことを頭においてください。もちろん体力的な負荷を年齢に応じて下げる必要があります。
登りについて最大は6%です。(また国際的には4%を超えないようにすべきということになっています)これは厳に守るようにしてください。それを超えて難しいコースにしようとする考えは厳に慎んでください。(ベテランクラスは安全確保のために4%以下になるように努力しましょう。)
若手の難易度については全日本の要項を参考にしてください。
2.競技規則及び関連規則類の運用に関するガイドライン
 各年代のウイニングが記されているので特別な理由がある場合以外はそれにしたがってコースを組んでください。
 ベテランクラスにおける相対速度が示されているので、それをもとにコース距離を決めることができます。のぼりがコントロールされていれば大きな間違いはありません。女子においては若干比率を下げる必要があります。これはガラパゴス化ではなくて、藪やのぼりが多いと男子との差が開くという調査があるからです。)今年の全日本では若干女子の比率を下げています。
IMG_1535.PNG
 競技規則ではクラスの統合は認められていますが、上記の比率を見れば慎重に行う必要があることは明白です。少なくともどの年代に合わせたウイニングかは明記すべきでしょう。
参加者の名前を見て距離を変更するのはやめてください。設楽選手が走るから他の参加者のために今回のマラソンは40qにしましょうなんてことはしないはずです。
3.競技規則及び関連規則類の運用に関するガイドライン(付表)
 各カテゴリのコースの特徴が書かれています。
 よりよく理解するにはIOFフットオリエンテーリング競技規則2017年版(日本語訳)を読んでください。こちらの方が詳しいです。
 スプリント、ミドル、ロング、リレーはウイニングが違うだけではありません。課題が異なります。テレインの広さだけでミドルにしようとか、ロングにしようとかは決められないのです。
 公認大会はいずれかのカテゴリにしなければいけないのですが、普通の大会に縛りはありませんので、どれにも当てはまらなければ単にポイントオリエンテーリング大会と表記するのが正しいやり方です。(技術的にはミドルテイストの長めのコースになっていますなんて表現でもいいでしょう。)

 すべてのコース設定者がこれらのことを順守してくだされば、日本全国どこで行ってもオリエンテーリングの課題の同一性を保つことができます。参加者は自分にとって適正なクラスを選ぶことができます。参加者の予想できない部分で、短か過ぎたり、簡単すぎるコースでがっかりさせたり、体力的にきつすぎる、難しすぎるコースで危険にさらすこともなくなります。クラス選択がギャンブルにならないようにしてください。

東工大大会の問題点を挙げておきます。(それぞれやむをえない理由があるかもしれませんので、単にルールおよびその根幹にある考えかたから見ての問題提起です。)
1.のぼりが多すぎる。
  多くのコースで6%越えが見られます。ただ耕作地をこえるところで大回りを強制されており、距離計算上はこの分は距離を足していいことになりますので、エリート以外は6%に収まるかもしれません。(全員が回らなければいけない部分は距離を足してよいのです)
2.ウイニングが規定と異なる。
 テレインが狭いため長いウイニングが取れないというのは理由になると思いますが、75分のコースが組めるのであれば、それより短いコースのウイニングは短くする必要はないと思えます。
3.クラスの統合が多すぎる
 十分な人数のいるクラスでも統合が行われています。エントリーリストではM55A16人、M60A7人、M65A10人となっており各クラス十分な人数がいます。これらのクラスをなぜ統合する必要があるのでしょうか? 参加者の楽しみを削らざる負えない理由とはなんだったのでしょうか?
4.ロングの概念に則したコースになっていない。
 ロングレッグレッグがありません。最低でもルートを検討する必要があるレッグが必要です。長いミドルコースといった印象です。ロングではナビゲーションやコントロール位置の難度は第一条件ではありません。
 コースコンセプトを変えずにロングコースにしたものを以下にあげておきます。(細部は検討していませんのでアイデアだけです。)
ファイル名未設定.M21E.jpg

ファイル名未設定.W21E.jpg
 ルールを理解し、コツさえわかってしまえば多数のコースをつくるのはそんなに大変ではありません。また、プリンタ印刷がスタンダードになり、OCADでコース管理ができるようになった現在ではコース数を減らすことに大きなメリットはありません。それよりも、参加者の楽しみを奪わない配慮を大事にしてほしいと思います。
posted by べん at 23:42| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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