2016年03月22日

全日本のコースについて

 最初に言っておきたいのですが、コースの問題については、以前も触れたように、この大会に限ったことではなく、この記事は個人を攻撃するものではありませんのでよろしくご理解ください。

大会のコースを組むにはコース設定の原則にのっとって行われる必要があります。
大事なのはコースが面白いかどうかでなく原則にのっとって組まれているかどうかです。
コースセットをする際には最低コース設定の原則を理解すべきだと思いますが、コースプランナーには資格がありませんから、資格を持ったディレクタが指導する必要があります。競技力があるからと言って原則にのっとったコースが組めるわけではありません。またコントローラは原則にのっとったコースが組まれているかをチェックしなければなりません。
このチェックシステムが機能していないのであれば、これは組織の問題です。

 適正なコースは初級者がオリエンテーリングを深く知っていくためのガイドとなります。適切なコースが組まれないことは、競技力の向上のみならず、皆さんが気にしている競技者を増やすことについても大きなネックになることを理解していただきたいと思います。

 私が見たコースは会場に張り出されたコースと家族が走ったコースだけなので、全体についてのコメントではありませんが、その範囲で気になったことをコメントします。

エリートコースについて:
 今回の種目はロングです。ロングの基本はロングレッグにあります。(詳しくはルールを読んでください)。そういう意味で今回のコースはロングでなく長いミドルになってしまっています。(21Aはロングらしいコースだったので残念です。)ロングとミドルではコンセプトが違うので、一生懸命ロングの準備をしてきた選手にとってはとてもかわいそうなことです。

15Aについて:
 15AやBクラスはlevel3(levelと各クラスの難易度については指導教本を参照してください。)に当たり、道から離れて、森へいざなう為の大事な入り口です。12クラスはlevel2であり、安全性を配慮して、複数の道から正しい道を選ぶ、道から見える特徴部にあるコントロールを見つけるといった道の周囲に目を向けることが課題です。この2つが同じコースになることは避けるべきです。

 現ルールだと公認大会のこの段階の次は急に難度が上がります。(大学生においてはlevel4をとばし、成人なってから参加する選手は4,5を飛ばしていきなり最高レベルの6になるのです)。この段階で最低限ちゃんと方向への意識をつけてもらい、確実な場所から正しい方向に進めばコントロールにたどり着けることを理解してもらわないことには、特殊な才能のある人か、怖い物知らずしか生き残れないスポーツになってしまいます。個人的には幼少期からオリエンテーリングの経験がない日本で成人の競技者を取り込もうとするなら、少なくともBクラスはLEVEL3、Level4の2段階に分ける必要があると思っていますが現行ルールではそうはなっていません。

 最後に2015のoforumの資料のうち、公開していなかったものを公開します。中身が不十分で公開していなかったものです。いわゆるhow toであって、ルールで決まっていない個人的な見解も書いていますのでそのつもりでお読みください。本来はJOAで中身を修正し、指導者講習会で使ってもらうと良いのですが一向に動きが見えないのであえて公開します。後半部分についてはきっと錯誤もあり、もっと運営経験のある人に修正していただきたい内容ですが、前半の机上部分については十分参考に値すると思います。

蛇足ながら、この資料にそった形で全日本の旧地図に全日本のスタート・ゴールを使って、具体的なエリア分けやコース例を加えておきました。登りやウイングタイムをちゃんと計算しているわけではありませんし、現実にある渉外上や安全性の問題(コース設定における最優先事項です。)も知りませんので、単にアイデアとしてとらえていただければと思います。
 縦線は傾斜がきついので避けたいエリア。赤線で囲まれた部分の小さい方は、シニア用のメインエリア、大きい方は準メインエリアです。
 エリートのコースについては2qのロングレッグを設定してそれを中心に9kmのコースを組んでみました。ルートチョイス課題が多く難易度が下がっていることがお分かりになると思います。
短いコースついてはシニア(メイン)エリアを中心に組んだコースです。1q程度のルートチョイス課題を確保しています。急なのぼり下りを避け、体力的な負荷を下げるようにしています。

 IOFの資料のGuidelines for Course Planningでは各種目についてWOCの地図付きでジョルジュが解説してるので興味があればご覧ください。かなり面白いです。
大会コース設定の手順.pdf
long.1.jpg
long.2.jpg
posted by べん at 20:03| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月22日

国際交流を

8月14日〜20日の1週間、香港のジュニアチームが日本を訪れました。
日本から海外に行くのでなく、海外から来てもらうことも日本のオリエンテーリングが国際標準を維持するためにも重要なことだと思います。日本にいるとヨーロッパのテレインに憧れるかもしれませんが、アジアにとってみれば日本のテレインのバリエーションは垂涎ものです。全日本大会の校でも述べましたが、場さえ用意すればアジアからの参加は十分見込めると思います。

 さて、香港チームのスケジュールは以下のようでした。トータスジュニアの合宿参加で3日は埋まりますが、1週間の遠征で、合宿の3日だけというのはさびしいものがあります。今回はKOLCの小泉君のご協力と私の手配で1週間で5日のオリエンテーリングを経験してもらうことができました。
すけ.jpg
ただ、個人の努力で毎回用意するというのは大変です。今回は自分でイベントを企画したため、終盤のアテンドができずに苦労しました。

と思っていたら、もっといい機会があるじゃないかと気が付いたので忘れないように書いておきます。
そうそう、東大と早大のあれです。
9日で6レース、安価、しかも多彩なテレインを経験できる。さらに東京に泊まればばすべて日帰りで参加可能!このコンテンツを利用しない手はないですよ。
 ましてや学生さん、オリエンテーリングにはさほど身は入れないけれども、イベントには興味があるというクラブ員はぜったいいるでしょう。どうですか、このイベント国際交流に昇華しませんか?
 競技性?いいんです。このままで十分。本来オリエンテーリングは楽しむものです。英語?いえいえ、オリエンティアは時間と場所さえわかればやり方は万国共通ですからなんとかなります。外国人が来るからといって構える必要はありません。ほんのちょっとの英語の案内があればじゅうぶんです。
 個人的にはアジアの友人にはこのイベント是非紹介したいと思います。
 走り書きですが、手書きの要項をつくってみました。結構わくわくしますよ。img002.jpg
ちなみに来年は台湾でのアジア選手権がありますので難しいかもしれませんが、うまくリンクさせれば思いのほかおおきな果実になるかもしれません。
posted by べん at 20:18| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月31日

資格制度

さて最後の宿題をやってしまいましょう。
1.制度の成り立ちと、問題点
現在JOAが認定している資格は次の4つ。トレイルOについては知識がないので省きます。
インストラクタ
ディレクタ1級、2級
コントローラ

指導者の定義は(JOA認定指導者規定より)
第5条 認定指導者は、オリエンテーリングに対する理解と指導力の向上に努めるとともに、指導者の種別により、次の能力を維持すべく努力しなければならない。
(1)インストラクタは、オリエンテーリングに関する基礎知識・技能を有し、オリエンテーリングの指導ができること。
(2)ディレクタ2級はオリエンテーリング指導に関する基礎知識・技能を有し、地域のスポーツクラブや教室等においてオリエンテーリングの指導ができること。
(3)ディレクタ1級はオリエンテーリング指導に関する専門知識・技能および指導力を有し、指導者の育成指導ができるほか、地域のスポーツクラブの育成・運営等の指導および競技会等の企画運営ができること。

受講資格については以下。
第8条 I 講習会の受講資格は、受講年度の4月1日現在、満18歳以上の者で、オリエンテーリングの経験を有する者とする
2 D 講習会の受講資格は、指導者の種別ごとに次の通りとする。
(1)ディレクタ2級 インストラクタ資格を有するもの
(2)ディレクタ1級 受講年度の4月1日現在、ディレクタ2級資格取得後、満2年以上の活動経験を有する者。

コントローラの定義は(コントローラの規定にはなかったので競技規則より)
27.2 大会コントローラの主たる任務は、競技規則が遵守されていることを確認することである。
競技規則を逸脱する必要のある場合は、大会コントローラが可否を判断し、事前にJOA
へ報告するとともに競技者に公表しなければならない。

しかして、コントローラの受講資格は

7.1 講習会の受講資格は、次のいずれかに該当する者とする。
(1) オリエンテーリング・ディレクタ1 級または2 級の資格を有している者
(2) コントローラまたは准コントローラの資格を有している者
(3) オリエンテーリングの経験及び大会運営の経験が豊富であり、所属する都道府県協
会から推薦を受けた者

となっています。

さて資格取得者の活躍の場としては(公認大会開催に関する規則より)
3.2 要 件
公認大会は、JOA が認めた年度毎の公認大会開催計画によって開催される。
公認大会を開催するにあたり、以下の条件を満たさなければならない。
- 運営責任者および競技部門の主要部にオリエンテーリング・ディレクタを配置
すること。
- 運営とは独立した大会コントローラを配置すること。大会コントローラはJOA
にコントローラ登録されていることが望ましい。
- カテゴリA においては、普及を目的とするフィットネスO を併設することが
望ましい。

さてここまででの疑問。
競技会運営ができるのはディレクタ1級じゃないの?
公認大会のコントローラは認定コントローラでなくてもいいんだ?
ディレクタ2級が地域クラブや教室での指導ならインストラクタはどこで指導すればいいの?
一応ヒエラルキーとしては、制度上
コントローラ>ディレクタ>インストラクタになっているようだけど、ディレクタでなくてもコントローラになれる道がある。

 本当に良くわからないのがこれらの資格です。私は人に意見を言えるようにとりあえず全部取ろうと思ったのですが、ディレクタ2級を取ろうと思って困ったのは、講習会が非常に少ない事とレク協会の共通科目というものがわからないといことでした。協会のホームページにいっても何のことかわからないし、JOA関係者にきいても返事がなかったので、あきらめました。本当に資格者を増やそうと思っているのでしょうか?
 コントローラ講習会で一時コントローラをとったのですが(これを受けないと資格を失うよという警告は全く来なかったので、気が付いたらなくなっていました。せっかくとったのにね。)、インストラクタ講習会で同時にコントローラの資格もとれるというものでした。資格ってなんなんだろうって思いましたよ。

 まあとにかく私が思うに、資格制度はすでにわけがわからなくなっているし、資格を取った人の働くフィールドもないのでこの制度自体が破たんしています。
 ナビゲーションインストラクタなんてわけのわからない資格を作る前に(これはもはやオリエンテーリングでないのでなぜJOAがやるのか全く理解できません。理由をちゃんと説明することが必要ではないですか?)本来の資格制度を整理するのが先だと思います。

2.制度整理の方向
 オリエンテーリングの事をちゃんと知っている人を多く作り、オリエンテーリングが正しく行われていくことが資格制度の目的だと思いますので、それにのっとって考えましょう。
 大きな問題は競技指導者と運営管理者が混在している事です。まずはそれを明確に分けましょう。 
 @競技指導者 
指導者はまず初心者指導、ジュニア+中級者指導者、上級者指導者の3つに分けます。便宜上、インストラクタ、コーチ、A級コーチとします。
 指導対象は、インストラクタは初心者、コーチは初心者+競技者、A級コーチは初心者+競技者+エリートとします。資格としては、インストラクタは学校やイベントで初心者を指導できること、コーチはクラブのコーチとして活動できること(各クラブに必ず一人資格者がいるようにする。指導者がいないクラブはクラブとして認定しない。これは学連に是非先陣をきっていただきたい。)A級コーチは各年代代表のコーチ、各都道府県代表のコーチができること(各協会に必ず一人資格者がいるようにする。)
 厳しいようですがこれぐらいやらないと、オリエンテーリングというスポーツを正しく普及できません。()内は5年程度の猶予期間を設け、その間に指導者育成をすすめます。A
級コーチに関して各県1名は受講費を無料にするなどの施策も当然必要です。
 A運営管理者
 ルールに則った競技会を行う、また渉外問題を起こさずにイベントを行う上で絶対に必要な資格です。但し、現行でもディレクタの講義を受ければコントローラ業務はできるはずなので、ここは統合しましょう。
 便宜上 運営管理者2級、運営管理者1級とします。
 運営管理者2級はローカル大会の運営ができる資格、1級は公認大会もしくは300人(例えばです)以上の規模の運営ができること。とし、1級は公認大会のコントローラもできるとします。
 B共通科目
 両者の共通科目を、競技規則、オリエンテーリング概論、基礎技術、地図表記などとし、共通科目の講義を積極的に行い。他の資格も取りやすくする。
Cテキスト
 テキストを作り、ウエブ上で一般の人が見られるようにしましょう。講習時間の短縮にもつながります。講習時の時間短縮になるし、実技に時間を費やせます。
 D登録料
 登録料はいくつ資格をとっても一律とします。資格者を増やすことが前提なので、登録にメリットが出た段階で再度検討します。
 Dレク協会との関係
 まずはレク協会との関係を継続するメリットを再検討しましょう。体育協会と関連させた方がいいのではないですか?運営管理者にはレク協会との関係をつくることは有用なのかもしれませんが資格を取る人にとっては煩雑なだけです。もし続けるとしてもできるだけわかりやすくしてほしいです。

なんとかしましょう。できるだけはやく。

posted by べん at 05:49| Comment(2) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする