2015年07月27日

全日本大会を考える

お約束の記事です。
長いので面白くなかったら読み飛ばしてください。
帰るまでに、教育と普及についてあと2つ記事を書く予定です。
1.はじめに
 私は全日本大会に関するパブリックコメントは提出していません。
 なぜかというとどうしたら現行の全日本大会を継続できるかについてのみ議論されていて、全日本大会はどういう大会であるべきかについては述べられていないからです。どんな工夫をしても魅力のない大会はなくなっていくし、大会が魅力的になれば多くの問題は解決されると思います。ここではまずそれに触れたいと思います。
2.そもそも全日本大会とは
 全日本大会は、全日本選手権ではありません。これは昔どなたかに言われました。全日本大会は一部選手のものだけではなくオリエンテーリング競技者みんなのための大会だという事です。そのことを忘れてはいけません。もう40年近く昔の事ですが、1年に1回全日本大会に遠征するということは子供ごころに大きなイベントでした。クラブの仲間と遠くへオリエンテーリングをしにいく。それはそれは今日海外遠征するぐらいのことです。
 全日本は皆が集まる大きな大会で、最新の知識、工夫によるコースが用意される。そんあ魅力ある大会でした。今はどうでしょうか?大学のやる大会の方がよっぽど先進的で、面白いイベントになっていませんか?(時には彼らの発想はオリエンテーリングのルールを越えて、日本のオリエンテーリングをガラパゴス化させてしまう事もありますが。もちろんこの点は学生の大会に限らずです。)
 若者の運営する大会はイベント的にはとても楽しいです。でも基本的に彼らの基準は自分世代ですから、ジュニアやシニア世代への配慮は欠けがちです。(誤解のないようにいいますが、これも学生の大会に限らないことで、学生には今後のオリエンテーリングの発展まで考えてイベントを運営するのは難しいということです。)
 ですから公認大会の使命は、ちゃんとルールにのっとった大会を開いてこれがスタンダードだから参考にしてね。できるだけルールから外れないイベントをひらいてね。というメッセージを送ることだと思います。
 つまるところ、私の考える全日本大会は、すべてのオリエンティアが楽しめ、かつ世界のスタンダードなルールを順守した大会です。
様々な選手権を開催して疲弊するよりは年1回とにかく全日本大会をオリエンテーリングの見本として開くべきです。スプリント、ミドル、リレー、そんなに開催するなら、東日本、西日本をやっていたころよりも負担は重くなっているのではないですか?
3.実現のための提案
 @複数日大会にすること
  せっかく地図を作るのですから、1レースだけではもったいないです。また、昨今は一般の大会が近くのクラブとコラボして複数日の大会として人を集めているのになんで全日本でやらないのか疑問です。そして最も複数日大会を開催しやすい日程を狙えばGWまたはシルバーウイークに固定するのがベストです。いまや日本のオリエンテーリングの最大勢力である学生を誘導するには秋は難しいでしょうから、やはりGWになります。
 例えばGWに4日間の大会期間を設けると
 1日目 モデルイベント(本大会の地図の一部を用いる)
 2日目 全日本大会(全日本選手権は1:15000で実施)
 3日目 ローカル大会(パークOでもいい。その地区の学生に任せる)
 4日目 全日本ミドル選手権(21クラス以外はロング大会、縮尺は1:10000)
 2−3日の総合表彰を行う。
 地図は一枚だけ作成し、一部をミドルに使用する。
 ほらこうすると1枚の地図作成で2回選手権を実施できます。宿泊も必須ですから、地元の後援も受けやすい。海外からの参加者も呼べます。円が安くなっているのだから今がチャンスです。GWに日本で楽しい大会があるよといえば、香港、韓国、中国からたくさんの参加が見込めます。オーリンゲンに参加している中国人のなんと多い事か。
Aスタート方式の検討
 GWに家族総出で出かけてもらいますから、他の事を楽しむ時間も必要です。スタート時間が異なれば、それが難しくなりますから、いっそのことE権にかかわらないクラスは、フリーのミニッツスタート(好きな時にスタートできる。良くローカルでやっている形式です。オーリンゲンのショートクラスでも採用されています。)にすればはやく終えて観光ということもできます。そんなことをすると競技性がとかエリートの表彰式を見ないのかというお叱りがでそうですが、実はそんなことは些細な事です。たくさんの人がオリエンテーリングを楽しむということが大事で人が増えればエリートに関心を持つ人も競技に関心を持つ人も増えます。
B運営方法
 基本的にはルールのわかっている方と地方の方がチームで主要役員を行います。スタンダードを確実に継続させるにはそれが必要です。ちゃんとルールを勉強した資格(資格についても改革が必要なのでこれば別に述べます)のある人が上に立って行うのです。
 そこにお金をかけるのは当たり前です。地図もいい地図に越したことはないですが、ちゃんとコース設定でコントロールすれば公正な競技は実施可能です。例えテレインや地図のためにそんなに面白いコースにならなかったとしても、複数日イベントということで楽しさは維持できます。
C地図
 地図作成の肝はいまや以下に良いベースマップを用意できるかです。良いベースマップがあれば調査期間を大幅に減らすことが可能です。(昔、地図作成に苦労した皆様には想像できないかもしれませんが、いまや地図作成は昔ほど大きなネックではないです。むしろテレインの選定と渉外、良いベースマップの確保に時間をかける方が重要です。)テレインが難しくてもベースマップが良ければ、完全にプロでなくても対応できるでしょう。逆にいかに簡単なテレインでもベースマップが悪ければ、時間もコストもかかります。コストを考えればプロに任せたほうが結果的に安くなると思います。但しコース設定者が修正する時間をとるため、2か月前には地図が完成していることが必要ですので、プロがそれを守れるかどうかが重要です。
D参加費
 複数日大会ですから、ある程度金額を上げましょう。複数日割引や早期申込み割引も活用して、参加のモチベーションを上げていきましょう。
E普及
 これも別稿で述べますが、あまり普及のことは考えないでいいと思います。大会で普及しようというのは大きな間違いです。家族や友人で楽しめるために、その方のためのコースを用意するのは必要ですが、現オリエンティアとその家族・友達のお祭りにするということを優先しましょう。
4.さて問題を解決しよう。
@マンパワーの問題
 教育の問題です。資格の整理、研修開催を増やすことは必要です。わかっている人を増やし、資格なしで重要な仕事には着けないようにしましょう。そして、その人には少なくとも経費を支給しましょう。そうすればモチベーションが上がり、畝意できる人が増えます。すぐにはできませんが、すぐ始めるべきです。そして数年は我慢しましょう。
 全日本での運営研修システムを復活させましょう。一部運営参加をしてもらい(研修費はとりますよ。)ルールから何からしっかり勉強してもらい、資格をとって地元で活用してもらいましょう。Oforumみたいなつまみ食いでは人は育ちません。かといって、別に用意しても人は集まりませんしコストもかかります。複数日一緒にいるわけですから、ある程度の知識はつきます。大会にも参加できる形も考えられます。やるとなったらアイデアはいくらでもあります。
 この際だから、全日本リレーはやめましょう。クラブカップに頑張ってもらう。そのほうが楽しいです。もし国体を目指すためとまだ思っているなら、パークでのスプリントリレーに変えていきましょう。各地域で行われるパークOツアーの延長線上でいいんですよ。それがオリンピックを目指すIOFの活動ともつながります。
 
Aお金の問題
 みんながこういう大会を望むのであればお金を集める対策はいくらでもできるでしょう。大会が魅力的なものでなければスポンサーはつきません。つまらないから、宣伝にもならないからスポンサーがつかないのです。この形式で大会をやるなら是が非でもみんなに参加してもらい、成功させなければなりません。
posted by べん at 04:20| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月07日

コースセッターとコントローラの方へ

 当たり前のことですが、オリエンテーリングの競技会のコースを設定するには一定のルールがあります。
是非コース設定の原則を読んでからコースを作成してください。またコントローラのチェックは(もちろん他の規則も読んでほしいですが)コース設定の原則に基づいておこなってください。
 もっとも優先すべきは面白いかどうかではなくて、競技としての公正さを維持できているかです。そうしないとオリエンテーリングはスポーツとして成り立ちません。オリエンテーリング大会と銘打って、公に参加費をとって運営している以上、ルールにのっとって行ってほしいと思います。

 「オリエンテーリングは宝探しだね」と言われるのはあまりに悲しすぎます。正しいルールにのっとってコースが設定され、状況に合わせた技術を正確に使えば当たり前にコントロールには到達できるのがオリエンテーリングなのです。

 フラグや特徴物が藪に囲まれていてそばにいっても見えず探さなければならない。コントロール位置が地図上で明確でない。アタックポイントからの距離と方向が正確でないといったコントロールはすべてルールから逸脱しています。地図で明確でない位置において位置説明で尾根とか沢とかにしてごまかすのもやってはいけないこととして記載されています。

 不適切なコントロール位置は、正確な技術を使おうとする選手の努力を無にします。世界で戦うために、正確な技術を身に着けようというモチベーションを高めるためには公正なコースはどうしても必要なのです。どうかよろしくお願いします。

posted by べん at 20:07| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月22日

全日本スプリントコントロール

全日本スプリント選手権が終了しました。
その大会のコントロールを行ったので、そこで注意したことを書いておきます。
現地やコースについては最終的には完成した地図と完成したコースでおこなわなければいけないものですが今回は、準備の遅れが大きく、実際に見たのは前日ということで十分なコントロールは行えず、公式掲示板も煩雑になってしまったことをまずお詫びします。

1.テレインについて
 スプリントのテレインはパーク、または街を基本とします。スプリント競技は世界的には1/10秒を争うスポーツです。森を使わないようにするのは、地図作成者の主観によって変わりやすい森の表記や、通行可能度によって運が介在する確率が高くなり、競技性を損なうからです。
 今回は比較的森が走りやすい場所であったことで、長く森を走るルートチョイスを少なくすることでコントロールできると判断しました。

2.コースについて
 スプリントレースでは、速く走る、速く判断するということを競います。したがって探さなければいけないようなコントロールや、位置説明を読み込まなければ間違えそうなコントロールは不適です。
 コントロール位置は誰にでも明確であるように努めました。この考えによれば、コースの難度は低く、本来Bクラスも必要ないということです。
 予選は、波乱のないように簡単に(速く走れない人ひとは落ちます)。決勝は多彩なルートチョイスを夭死した判断ストレスの大きいものになるようコントロールしました。
 森を走る課題では、まったくルートチョイスがないか(まっすぐ走ることで走路が同じになる)、森を長く走ることがベストルートにならなういようなるレッグになるようにしました。(短距離ののショートカットは許容する)。また森を走る際にも先の目標物が見えるように配慮しました。
 選手権以外のクラスは、もっとミドルの要素を多くして難度を上げるという選択も実はあるのですが、今回は予選決勝でエリアを分けた関係上、走り主体のコースになりました。

3.地図について
 判読性と正確性が大事です。
 スプリントの地図では、細かなものを拾えますので、書きすぎてしまう恐れがあります。場合によっては書き込むために、決められたサイズより小さい記号を使ってしまうこともあります。選手は高速で走りながら地図を読みますので、書きすぎは混乱を招き、不公平となります。
 今回の調査者は地図委員会のメンバーでもありましたので、作った記号は使わないという前提のもとでチェックを行いました。また、最少寸法(特に境)をチェックし、走りながら通過できる場所とできない場所が明確に判断できるかを見ました。とはいいつつ、地図の出来上がりが遅かったため、十分なチェックは不可能で、ほぼ作図者の頼ったところがあります。
 コースは狭い範囲での大会ということもあり、判読性を高めるために2マップとし、レッグ線やラインのカットなどについても気を遣いました。

4.現地の表示
 現地については、地図ではわかっていても流れとして通過してしまうということを避けるために、そういう部部にはテープを張るということで対応しました。事前に走行可能度の不確定な藪の部分を通過禁止としてテープを巻き、不公平性をなくすことも検討しましたが、コース作成のほうで対応できたのでそれはやめました。予選の駐車場の通過禁止場所については、危惧はありましたがコースレイアウト、渉外上の問題、人員配置などの問題からそのまま行いました。実際に何人かがショートカットを行いましたが、予選であったこと、実際の時間が1−2秒であることで、今回は失格とはしませんでした。スプリントでは世界レベルの大会でもこうしたことは珍しくありません。これは競技者が悪い、運営者が悪いということでなく双方がルールを理解して、より誤解なく、スムーズな運営方法を探っていく必要があるということです。今回の場合は距離を稼ぐのは必要であったので、できることととすればその箇所の人員を増やして駐車場を囲むことや、駐車場に車があって運不運が出ることを承知で立ち入り禁止としないということだったでしょう。

5.公式掲示板
 直前のチェックへのウエイトが大きく煩雑になってしまいました。
 位置説明については私のチェックもれと、チェックに対応してもらえていなかったの半々です。余裕をもった準備が必要です。スプリントだから何とかなるだろうというのは大きな間違いで、細かなところが重要になるスプリントだからこそ早期の準備が必要です。2か月くらい前には地図もコースも出来上がりそれから細かな点を修正していく必要があります。
 現地で特別なものを使う場合には周知が必要です。その大半は準備が早期に進められていればプログラムで提示できたものです。コントロールの設置の仕方も事前にコントロールを設置しての試走が行われれば使う資材も明確でプログラムに記載できていました。実際には朝のコントロールチェックで確認したものです。フラッグが全方向から見えませんのでそのままでは不適でした。

6.謝辞、反省
 今回はとにかく準備が遅れていて不安だったのですが、ルールをよく知っている作図者の方がいたこと、主に施設敷地内であったので、必要な渉外、機材の準備を野外活動センターの職員の方に請け負ってもらったこと、静岡県協会の方々の運営経験が豊富であったこと、当日が晴天に恵まれたことなど様々な幸運がかさなり。何とか大きな問題なく終われました。ありがとうございました。
 ただ、いつもこういう好条件ではないので、とにかく速い準備が必要です。それがなければコントローラーは名ばかりで何の仕事もできません。それは競技者、運営や、コントローラすべての人々にとって良いことではないと思います。1か月前には大会を待つばかりという状況にしたいものです。
 敷地内の一部の手すりが柵表示になっていなかった点ですが、ルール違反ではないですが、写真表示などを行なえばより公正な競技になっていたと思います。

7.その他雑感・蛇足
 予選の駐車上通過ですが調査いらいはありませんでした。運営側で独自に掲示したものです。
 提訴があった場合も対応するつもりではありました。提訴というとすぐ不成立という話になってしまいますが、実現可能で申請者の利とする提訴のしかたとしては、私は突っ切らなかったため2秒おくれてそのせいで予選を通過できなかった。不公平だ。予選通過とすべきだというやりかたになると思います。このケースは実際に世界選手権でもありました。
 大会を不成立にすることは該当競技者、その他の参加者と運営者双方にとっても望む結果ではありません。そのことを念頭においた対処が必要だと思います。
 競技規則もあまり理解していない参加者が、競技的ではない、違反だと騒ぐのはどうでしょうか?さすがに選手権レベルだと考えますが、地方の大会で不成立にする必要がありますかね。競技そのものは成立でいいじゃなですか。、不公平をこうむった参加者には、地図を1セットあげるとか参加費を軽減するとかで対応してもいいと思いますよ。
 今回(コントローラの仕事としては適切ではなかったですが、競技理解のためにアナウンス担当もやっていました。競技が始まったらほとんどコントローラの仕事はありませんので。)競技説明・アナウンスをしていたら、それは競技情報を教えていることになるというご意見もいただきました。しかし、スプリントでは観客からの様々な声掛けへの対応や視線の中で冷静に競技を行うのも課題です。観客がマップ交換所でだれだれに何秒勝っているといったらもうルールいはんでしょうか?不成立でしょうか?ロードレースではそうですか?
 さすがに事前にコースを見せるなら別ですが、断片的に情報を伝えることが競技規則に違反することにならないと思います?
 スプリントはオリンピック採用を目指し、観客に見てもらって一緒に楽しむことを目的とした競技です。観客に楽しんでもらうためにできる限り情報を流すことが、観客の増加、普及につながるものと思いますがいかがでしょうか?

8.さらに蛇足
 運営者は不公平が生じないように注意を払って運営する。そうしていい運営をすることが運営者としての達成感であり喜びである。そんなことまで面倒くさいとおもったら喜びもそこまでである。
 競技者はそれでも運営上のほころびはあることを知るべきである。強い競技者を目指すなら、雨が降ったりすることや、大会直前に森作業が入ってしまうこと、運営者のちょっとしたミスを自分の失敗の理由に挙げるべきではない。そういう場合に動揺しないようにするには日ごろからどう対処したらよいか。つねに考えなければいけない。
 良い競技をして喜ぶのは自分である。その自分を実現するために競技者ができることは自分をコントロールすることだけである。自然や、アクシデント、(それに他人も)コントロールすることはできない。
 運営者も参加者も自分のすべきことをやり、お互いを考えていい大会を作り上げたいものです。同じオリエンテーリングの仲間なのですから。
 
 

 
posted by べん at 09:49| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする