2016年05月07日

GW合宿のコース解説

5月4日のJOA合宿で提供したコースの解説をしておきます。
レベル4のコース
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このコースは線状、面状特徴物としての道、植生、大きな地形を理解してそれをたどれる能力を持つ選手を対象としたコース。正置とアタックポイントの設定が適切に行えればまずミスの可能性は少ないコースです。タイムを分けるのはルートのうち安全に速く走れる部分を理解して集中力を切り替えられる力、そしてテレインでの走力そのものです。アタックポイントでしっかり止まれるかも重要です。
これが速い選手は基本がきっちりできているということです。簡単なコースなのにミスをしている選手はプランをちゃんとしていない。(地図上のどんな特徴物を使うべきか考えていない)止まるべきところで止まっていない、地図を正置していない。コンパスを見ていない。といったところでしょうか?
できていてなおかつ遅いというのであれば、判断と走りの遅さです。走りの遅さは走力そのものとためらいによる遅さ、不整地を走り慣れていない遅さがあるでしょう。(後者2つはテレインでのスピードトレーニングによってのみ改善可能です。)
このコースがちゃんと走れればあと今使っている特徴物以外に安心してたどれるもの、ぶつけられるものを増やしていけばいいので確実にのびていけるでしょう。
もちろんエリート選手ははやく走れて当たり前です。

レベル5のコース
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コンパスでの直進はありますが比較的大きな地形的特徴物にぶつけるようになっています。
要はそこをどう見つけてどう速く確実にはいるかが大事になります。コントロール位置も比較的見やすい特徴物かそのそばに設定されているのでアタックポイントの設定は容易です。
このコースが苦手と思う場合はコンタマップなどでの練習を進めます。

レベル6のコース
6コース解説.jpg
目標とする特徴物が小さくなってきており、たどれる地形も分断されています。それを如何に見つけるかがポイントですが、半面地形の読めない選手には歩測とコンパスという手段があり、一概にこのコースのタイムが速いからと言って上級コースで成績がでるとは限りません。たまたま当たるということも往々にしてあります。もちろん外したときの代償も大きいです。このコースが遅い選手はコントロールピッキングやコリドアなどを練習するといいでしょう。
 またこのコースではレッグの特徴を強調しているだけなので実際のコースとは違いずっと同じリズムで走れるという易しさがあります。(ほぼコンパスをたよりに見て走っていることになったのではないでしょうか?)実際のコースはリズムやレッグの長さの変化が入ってきますので、メインとする技術もレッグごとに変わってきます。実際のコースは5のコースのいくつかのコントロールを6の要素が入ったものに変えたものをイメージすればばいいかもしれません。
posted by べん at 23:20| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月03日

国際オリエンテーリングコーチ会議より

国際オリエンテーリングコーチ会議の記事をWORLD OF Oの記事からまとめている作業中。

スポーツにとって、エリート強化活動と競技の発展は別々ではなく、お互い補完しあい、ともに進んて行くものだということは間違いない。
これを別々に考えるのは非効率的だし、生産性にも欠ける。

記事の一部ををわかりやすいように加筆して引用すると、

 デンマーク、フランス、スイスは比較的クラブが弱く、選手が一緒に寝泊まりし、トレーニングを積むようなエリートトレーニングセンターを設立、それを中心に強化および競技の発展を探っている。チェコは同じような状況であるが、トレーニングセンターがないため、ナショナルチームが多くのトレーニングキャンプの実行に多大な責任を負っている。(予算は1000万程度あるが、ナショナルチームの仕事は日本と同じように雑務が多く、実際の指導ができずに苦労しているようだ。)スエーデンはたくさんのオリエンテーリングジムや大学を競技の発展の中心にもっていっている。ノルウエーはクラブのコーチの教育によりクラブを発展の基幹としようとしている。フィンランドはトレーニングセンターとクラブの育成をの両面からアプローチしている。

 さて日本はどこに基幹を置こうというのか?まずそれを決めることから個々の活動を始めるべきである。そうしないと各活動がリンクせず成功はおぼつかない。
 日本でトレーニングセンターを作っても(まあ予算的に無理だがもし作ったとしても)そこに入ってトレーニンフするには人生設計をしっかり考え、覚悟を決めなければならない。そんな選手は今日本にはほとんどいない。地域クラブを根幹とするのか?それはない。そんな機能をいまの地域クラブは持たない。可能性としては学生クラブと会員である都道府県協会だろう。
 問題はそこにどうアプローチしていくかだ。一つのヒントはノルウエー方式である。JOAが教育の場を設けて正しい知識、アプローチ法をちゃんと伝えていくことで学生クラブと協会を独り立ちさせてそこを基幹に日本のオリエンテーリングを発展させていく。そのためには手厚く指導するシステムを作り出さなくてはならない。
 そういう意味からすると、私が始めたJOAトレーニングは画期的なシステムであった。それがJOA合宿となり、年度が進むことで今年度はまったく異質なものとなってしまったが、本来はオリエンテーリングとは何かということをちゃんと学び、それを各クラブに持ち帰って活用してもらうということが目的であった。従ってその参加者は競技者にこだわるものではなかった。短期的な競技力の向上という実を刈り取るのが目的でなく、長期的に競技力を向上させるという種をまくための機会であったのだ。
 エリート競技も、協会の発展も同じだが、ものすごくエネルギーをもった人間が一人いても仕方がない。もし成功したとしてもそれは一時のものでしかない。ある程度のエネルギーをもった人間を(組織を)より多く作り出さなければ継続も大きな発展もないのである。
 
posted by べん at 11:29| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月20日

world of oの記事を見てたらまた書きたくなった

 強化委員会の活動は行き詰っています。
 強化委員会は競技力向上がその使命です。(委員会が何の仕事をするかというのはJOAのホームページを見ても良くわからないし、定款に書かれている委員会規定というのも見つからないのでこれは個人的な想像でしかないです。すみません。)しかし、一方でその予算はゼロです。
 嫌な言い方ですが、JOAは予算も出さず、定款に書かれている目的を委員会に丸投げしているようにも見えます。

 予算がないところで活動を行おうとすればそれは委員・スタッフの持ち出しか、委員・スタッフが自分で稼ぐしかありません。この状況でもっと現実的な選択は何もしないということでしょう。
 お金も多大な労力もかけずにできることは、せいぜい選手選考のルールを決めて、広報することぐらいでしょう。(選考会もせずに既存の大会を利用すればいい。)
 ここ数年、この提案は何度か委員会に投げかけています。もちろんそれでは競技力向上を強化委員会丸投げから選手個人へ丸投げと変えるだけであり、組織が定款の目的を実行しているとはとても言えませんが。

 委員会としてはそれでも選手の為に続けようという立場です。持ち出しで、またはイベントで稼ぐことで。ただ稼ぐというのも楽ではありません。そのためにさらに委員・スタッフの負担は増加します。稼ぐための負担の増加は本来の選手サポートに影響し、委員・スタッフはすごく努力しているのにもかかわらず、委員会は何もしてくれないという不満も現場から聞こえてくる。こんなにやっていてむなしい事もありません。

 今年オーストリアで行われた強国のコーチカンファレンスの報告を読みました(ワールドオブOから読めます)。トップの国々のレポートを見て日本の現状を知れば、何で日本の成績が上がらないかなんて決して言えないはずです。そう思う人には是非よんでいただきたいです。

 ただ、所詮日本ではマイナースポーツだからなんていうことは理由になりません。フランスを見てください。彼の国も25年前にはオリエンテーリングのリソースは何もありませんでした。いまや競技人口は8300人、そしてWOCのメダリストを多くだし、強国の仲間入りをしています。

 この違いは現場に丸投げして組織として長期的な計画を作らず、努力をしてこなかった国とコツコツ努力を積み重ねてきた国との違いです。

 個人のオリエンティアが強くなる過程と全く同じですが、一朝一夕で強くなれるわけはないんです。強い国ほど長期的な視野で努力しています。今年のデンマークの成功までには5年を要しているし、フィンランドのジュニア育成の成果は今後数年で出てくるでしょう。スイスの大国化は長年のスクールOの充実と若年からのエリートスポーツとしての指導にあるのです。

 日本(個人ではありませんよ。組織としてです。)は何をしてきたでしょうか?生徒へのオリエンテーリングの普及を行って競技人口を増やしてきたでしょうか?ちゃんとオリエンテーリングが指導できる指導者を育ててきたでしょうか?国際会議に参加して正しい情報や人脈を作ってきたでしょうか?クラブを育てる施策は何かとったでしょうか?

 オリエンテーリングを育てていますか?

 5年前、競技力の向上を考えて日本を見たときに私に見えたのは広大な荒れ野でした。
 そこに種をまこうとして私は活動してきました。JOA合宿(およびその前身)は実はトップ強化の場所ではありませんでした。トップ選手への練習の機会を確保しつつ、一般の競技者への教育、指導方法の伝達を行い、ここを出発点として活動が広がることを期待しました。ブログでは嫌われるのを承知で情報発信も行いました。
 競技者の教育は普及・教育委員会、指導者の育成は競技委員会に分担していくべきでしょうし、そうした差配ができるのは理事会しかないのではないかと思います。そう動いてもらえれば競技者数の問題も指導者数の問題も普及の問題も解決していくと思いますがどうでしょうか?

 指導者がいない現状からすれば、競技者教育はまず中央で行う必要があり、早期に指導者を育成して地域単位で行えるようにする。JOA合宿はノルウエーモデルに近い。彼の国のようにクラブに期待するのは難しくても都道府県単位で行えるようにようにはできるはずです。普及・教育委員会にはJOA合宿を(回数を減らしてでも)引き継いでもらう。競技委員会には資格を整理して現職者講習会を開催してもらう(これはJOA合宿を利用して行えば良い。)
 そして強化委員会は、可能性のある選手、長期的に努力する選手(強化選手)を集中してサポートする。教育の為の機能を外せれば(教育機能は強化選手の候補を作るために必要なので他がやらなければ外せない。)、合宿の開催は容易になりスタッフの負担も減らせる、強化の為の資金は、選考会や公開合宿などで稼げるし、その果実は海外でのキャンプの資金とすることもできるかもしれません。

 個人の努力には限界があります。私自身の体力の低下もあり、今年1年は活動の中心から離れて経過を見ていましたが、JOA合宿は機能を失いつつあり、単なる練習の機会となってきています。
 トップチームの成績はやっと下降の流れをせき止めて反発の準備ができたところではありますが、このままではまた下降をはじめるでしょう。

 今委員会と話している最中ですが、話がまとまれば、来年度に関しては、選手教育と指導者教育を含めた合宿を計画的に実施する予定です。是非理事の方々にもこの合宿に参加して、必要な仕事を評価し、分担していくよう話を進めていってほしいと思います。
posted by べん at 00:07| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする