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2019年03月08日

穴や小凹地のコントロールのフラグはどこに置く?

コース設定の原則で述べられているコントロール位置とフラグの置き方の条件について確認してみます。
1. コントロールの周辺は地図に正しく描かれていなければいけない。
2. コントロールにアプローチする可能性のある場所すべてからの方角と距離が正しくなければならない。
3. 地図上に補助となるような他の特徴物がなければ、すぐ近くによらなければ見つけられないような小さな特徴物にコントロールを置いてはならない。
4. さまざまな方向からくる競技者のコントロールフラグの見え方の差が地図上や位置説明で読み取れない場所にコントロールを置いてはならない。
5. その特徴物(及び位置説明)に到達して初めて視認できるように置く。
6. そこに他の競技者がいようといまいとその見え方に差がない。
7. フラグは隠してはいけない。(コントロールに到達してからフラグを探すようであってはならない)

1,2に関してはプランナーがしっかり仕事をしなければなりません。調査者がいかに優れていても、すべての特徴物の位置が全く正しいことはありません。コースが出来上がった後にすべてのコントロール位置に行って適切な修正を加えるか、コントロール位置を変更する必要があります。
5,6はas far as possibleに対して、7はon no accountですから、遠くから見えてしまうことを避けるよりも隠さないようにするということが優先されます。北欧などでは地図に表現される地形によりコントロール位置が見えない(地図からそれが判断できる)場合が多いので5はそれほど難しくないですが、日本で5を尊重すると7にひっかかる部分が多々あります。
かといって、5を無視したコースばかり走ってしまうとコントロール付近でのファインなオリエンテーリングを実践しなくなり、海外で全く対応できないということにもなってしまうので、痛しかゆしです。私がコースプランをする場合はレベル5,6のクラスではできるだけ5を尊重するようにはしています。一方でレベル4以下のクラスでは5にはあまりこだわらない用にします。(この辺りがクラスによってコントロールを共用してはいけないというところにもつながります)

さて本題の穴や小凹地のコントロールの置き方ですが、これはケースバイケースになります。以下私見になります。
日本の穴、小凹地は大きさとしては小さいものが多いので、特別大きなものでない限り、周りに何の特徴もない場所にあるものは、コントロール位置として適切ではありません。どうしてもコントロールにしたい場合は5に目をつぶって、ある程度遠くから見えるように置くしかありません。位置はふちなどを使用します。中においてしまうと、多くの場合は地図に表現する限度を超えてアプローチの方向によって見え方が異なってしまいます。藪の中の穴のようにふちにおいてもフラグの見え方に差異が出るようならコントロールにすること自体を避けます。
一方である大きさがあり、穴の中が藪でなくて見え方に差がない(斜面の穴などで上から見にくいのは地図から読み取れるので許容します。)場合は、5を考慮して中に置くのも可能です。

一例をあげます。これは5日の練習会のコントロールです。小さな穴ですが急斜面の上の平らな部分にあり、北に走行困難エリア、東には小さな沢もありますので、地図上では問題なく使用できると思えます。
IMG_2583.jpg
でも実際は経年変化でBはわかりづらく、穴の中も植生が悪く、フラグが良く見えない状況であり、競技者にとってはストレスがたまるコントロールになってしまいました。
 練習会等では、地図は経年変化もあり、事前に確認といっても時間的に難しいので、周りに他の特徴物の無い穴や藪の中の穴は避ける、フラグはふちに置くようにするとしたほうが参加者にストレスのないコースとなるでしょう。
posted by べん at 11:18| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月07日

コントロールの公正な設置について

一昨日、昨日と久しぶりに練習会に参加してきました。容赦なく登らせていただきありがとうございました。
さて、規則の細部も読み込みましたので、人によってちょっと解釈が分かれている(ような気がする)コントロールの置き方について覚えがきとしてまとめてみました。

国内の大会では国内ルール使われますが、国内でも国際大会(WREなど)はIOFルールが適応されます。

1.コントロールコード(識別番号)
競技規則:31以上、混同しやすい番号は使ってはならない。(具体的な番号あり)
IOF規則:31以上、混同しやすいばあいで水平方向に表示するばあいは下線を引いて良い間違いを避ける。
2.コントロールの設置
微妙に表現が違いますが、要はその特徴物の位置説明にある場所を見たときすぐ見えるように置くわけです。実施基準ではそのための提案がなされています。
コース設定の原則:
.5.1 コントロール設置位置
地図上に示されたテレイン内の特徴物にコントロールが設置される。競技者は、順番が指定されていればその順番通りに、自分自身でルートを選択して、これらを回ってこなければならない。これには、慎重なコース設計と、公平さの保証を確認することが要求される。
地図上で、コントロール付近の地形が正確に、またありうるすべての方向からのアプローチに対して方向と距離が正しく描写されていることが、特に重要だ。
もし地図上で、他にアプローチの助けになるような特徴物がなければ、コントロールを近距離からしか見えないような小さい特徴物に設置してはならない。
コントロールは、どの方向から来ればコントロール・フラッグが見えやすいかということが、地図またはコントロール位置説明からでは判断できないような場所に設置してはならない
競技規則:
16.3コントロールフラッグは、地図上に示された特徴物に、その特徴物に到達した競技者に見えるように吊す。コントロールフラッグが吊された実際の位置は、コントロール位置説明と合致していなければならない。
IOF規則:
フラッグは、コントロール位置説明にしたがって地図で示した特徴物に取り付けられなければならない。競技者が記された場所を視界に捉えたときに、フラッグも見えるようになっていなければならない。
実施基準:
17.コントロールの設置
地図上に表記されていない木や薮などの蔭、または地図情報から読み取れない位置にコントロールを設置してはならない。

IMG_2580.jpg
*6番は5からまっすぐ入ると太い木の真後ろにあるため、沢の中心を見てもフラグが見えないという点ではもう少し木と距離を置いて設置する良かったと思います。

スプリント競技においては、コントロール周辺でスピードが極端に落ちるような位置はコントロールとして適切でない。
コントロールフラッグをパンチ台に吊るす場合、フラッグが低すぎないように注意するとともに、競技中に倒れたり、地面に沈み込んだりしないようにすることが肝要である。少なくともフラッグの下端が地表面から25cm程度となるように設置する。急斜面や軟弱な地盤においては、コントロールフラッグとパンチ台を分離することが望ましい。
パンチ台を使用しない場合、コントロールフラッグとパンチは別々に吊るす。
コントロールに複数のパンチ台を設置する場合でも、フラッグの設置は一つである。コントロールに複数のパンチ台を設置する場合、競技者の進入・脱出方向を考慮して配置する。
酷暑時などは、勝者の想定スピードで25分ごとに給水所を設けることが望ましい。

3.近接コントロール
IOFの方が表現が強い。また競技規則の後半部はコース設定の原則に記載されているものだが、特徴物が同じではなく、地図の上からも現地で見ても明らかに違う特徴物の場合となっている。
event.All.jpg
*メッツアの大会(プランナーは私)の隣接は沢と穴で特徴物は違うが穴が沢にあるため好ましくなかったです。(実際数名がミスパンチをしている)
競技規則:
16.4.コントロールは30m 以内(縮尺1:5,000または1:4,000では15m以内)に近接して設置すべきでない。さらに特徴物が同じコントロールは60m 以内(縮尺1:5,000または1:4,000では30m以内)に近接すべきでない。
IOF規則:
19.4コントロールは30m以内に隣接して設置してはならない(地図の縮尺が1:5000または1:4000の場合は15m)。コントロール間の距離は直線で測る。(付録2, 3.5.5項参照)
*ワールドランキングイベントのガイドラインでは15mでなく25mになっています。

4.コントロール円の中心
ISOM2017
点状特徴物の場合は、記号の中央とする。線や面状特徴物の場合は、フラグの正確な位置を示す。
ISSOM2007
特徴物のうちの正確な位置を示す。
日本の競技規則ではこの点に言及している(IOFにはない)
13.2.三角と円は、それぞれコントロールとなっている地図上の特徴物を、正確に中心位置とする。中心に印をつけてはならない。
実施基準では
14.コース印刷
コースの地図への表記および地図の印刷は、「地図図式」および「コントロールに関する規則」による。
コントロールを示す円は、コントロールとなっている地図上に表記された特徴物を、正確に中心位置としなければならない。ただし、地図上で実寸表記できない特徴物については、円の中心をその特徴物の記号の重心点に置き、コントロール位置説明表において方位、位置などを示す。

IMG_2579.jpg
*11番は崖の南東の根元であるが、私は植生界の角だと思ってフラグがないのでパスしてしまった。もちろん位置説明を見なかった私も悪いので文句を言っているわけではありません。規則に準じて円の中心を崖に置けばこうした誤認は防ぐことができます。

ここに書いたようなことは一般向けの大会・コースでは問題になるようなことはないであろうが、トップレベルで競技をしている選手にとっては大きな問題となります。

それなりに神経をつかうことであるので、規則の適用を上位の大会・クラスに限定するということはこうした観点からも検討すべきだと考えます。

最後にコース設定の原則の2項を参考にあげておきます。
3.5.3 コントロール・フラッグ
コントロールの器具は、IOF競技会規則に準拠しなければならない。
可能な限りにおいて、コントロール・フラッグは、競技者が記されたコントロールの特徴物に達した時に初めて見えるように、設置されるべきである。公平性のためには、コントロール位置に競技者がいるかいないかにかかわらず、コントロールの見つけやすさは同じであるべきである。決してコントロール・フラッグは隠されるべきでない: 競技者がコントロールに達したときに、フラッグを捜し回らなければならないようであるべきではない。
3.11.3 公平なコントロール設置位置を使う
プランナーは、可能な限り最高のレッグを作ろうとして、不適当なコントロール位置を使ってしまうことがしばしばある。
競技者は、良いレッグと素晴らしいレッグの違いにはほとんど気がつかないが、コントロール位置やフラッグが隠されていたり、曖昧さがあったり、紛らわしいコントロール位置説明などのよって、コントロールで予期しなかったタイム・ロスがあると、ただちに気づくだろう。
posted by べん at 12:01| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月25日

調査依頼、提訴、裁定委員について

まずは日本の競技規則から見ていきます。
競技規則24に調査依頼及び提訴についての記載があります。
調査依頼:
いつ:競技者に関する疑義が生じたとき
誰が:競技者及びチーム役員
誰に:競技責任者
どうやって:文書
回答:
いつ:可能な限り速やかに
誰が:競技責任者
誰に:調査依頼者
提訴:
いつ:調査依頼の回答が不服な場合、回答から15分以内に
誰が:競技者及びチーム役員(該当者でなくてもOK)
どこに:大会主催者
方法:文書
24.6後日成績に関することは10日以内に(この規則は日本独自。)

25には裁定委員会について述べています。
25.1 3名からなる裁定委員会を組織。提訴に裁定を下す。
25.2委員会の立場:大会組織外、委員会の議長はイベントアドバイザー、主催者の代表も参加可。裁定委員以外は投票権を持たない。
25.2 3人そろわなかった場合の規定。主催者が代理を指名する。
25.4裁定委員会の決定は最終

ガイドラインにある追加事項
25.1結果は公式掲示板に掲示しても良い。競技責任者は調査依頼の時間に制限を設けられる。
26 裁定委員会は主催者が指名、競技規則に熟知し、運営経験を有するものが望ましい。最低1名はイベントアドバイザ―が望ましい。経験、年齢、地域などのバランスを考慮して選出、事前に発表。利害関係者の場合は主催者が代理を指名。イベントアドバイザーは事情を聞き資料の提出を求めることができる。

IOFの規則を見ていきます。
27 complaint
特に違いはありませんが、提出先はオーガナイザーであって、競技責任者とはなっていません。
28 protest
これも大きな違いはありません。
29 Jury
29.2指名はIOFが行うか、連盟が行います。(主催者ではありません)
29.3ジュリーは3人または5人
29.4主催者はジュリーミーティングに参加できるが裁定時には退出する。
29.5主催者はジュリーの決定に従う
29.7利害相反によるジュリーの代理を指名するのはイベントアドバイザーである。利害相反に対する最終決定はイベントアドバイザーが行う。

30アピール
日本の規則には規定なし。ジュリーが集められなかった場合、またはジュリー解散後の場合に行われる。その対象はジュリーの決定であり、かつその会議の進行に大きな問題があった場合に限られる。提出できるのは連盟だけであり、カウンシルがそれを扱う。

ジュリーのガイドラインには以下の記載があります。
ジュリーは独立した組織であり、提訴に対しては規則をもってあたる。
調査依頼のない提訴はできない。
規則の解釈に当たってはスポーツの公正さが原則として使用される。
ジュリーはEAであることが望ましいし、IOFの主たるイベントではSEAが望ましい。
ジュリーは競技者、チームオフィシャルに渡されたすべての文書を受け取り、イベントのすべてのエリアに入ることを許される。
イベントアドバイザーはジュリーをすみやかに招集できる体制(電話番号を確認するなど)でいなければならない。
主催者はコンプレインとプロテストの用紙を会場に用意しておかなければならない。
イベントアドバイザーはジュリーがいつ会場につき、どこに集まり、いつ離れていいかを連絡する。
ジュリーはスタートやフィニッシュにいくことを求められる可能性がある。ジュリーはコンプレインの判断にかかわってはならない。
コンプレインへの回答は必要に応じてEAのアドバイスをもらいながら運営者がすべきである。ただし、提訴につながりそうな案件についてはその内容と回答を事前にジュリーに伝えられることはある。
投票権を持つジュリーは、審判や、役員のようにふるまってはならない。
ジュリー会議は静かな場所で行う。
イベントアドバイザーはプログラムと規則を準備する。
ジュリーは以下のような他の証拠を集めてよい。
地図や、文書の確認、競技者や係員への事情聴取、その場所への訪問、写真やビデオの確認、コンピュータその他からの出力内容
必要であれば、規則委員会によるアドバイスを受けることができる(規則委員会は会場にいなくても良い)。
結果は理由とともに提訴文書に記載される。ジュリーの同意があり、EAが必要と感じれば票数を提示できる。
判断に至る詳細は明らかにすべきでない。もし、ジュリーの判断に説明を求められる場合は1ルートに限る。EAがスポークスマンのようにふるまうか、必要ならジュリーメンバーにその仕事を託しても良い。ジュリー個人の考えは述べるべきでない。他のメンバーは裁定について競技者、委員、観客、メディアと議論してはいけない。

ざっとこんな記載があります。
違いは、
IOF規則ではオーガナイザーとなっているところの一部が日本の規則では競技委員長という役職になっていること。ジュリーの指定者が異なっていること。
日本の規則ではジュリーに運営経験している豊富なものとの記載があるがIOFにはない。
日本の規則にはジュリーのための準備や、ジュリーの具体的な行動の記載がない

以下は私の解釈もあり、若干主観がはいります。
IOFルールでは、判断にかかわる人はルールを知っていることが前提です。
コンプレインでは主催者がルールに基づいて判断を下します。主催者はある意味利害関係者でもあります。アドバイザーは主催者にアドバイスができます。間接的ですがこの段階ではアドバイザーは判断に影響を与える可能性があります。
プロテストでは利害関係のないジュリーがフラットな状況で判断に当たります。ジュリーには必要な情報を受ける権利と調査権があります。ジュリーの決定は最終でありそのプロセスに問題ない限りは覆りません。イベントアドバイザーは進行役、運営者は情報提供者であって判断に加わりません。回答の過程については公表されません。

訴える人にとっては、2回判断を仰ぐことができ、2回の判断者はお互いに独立しています。
そして、ジュリーでは一切の先入観、利害関係が排除されます。
(様々なバックグラウンドを持つ人で構成されるべきというのもそのためです。個人的には日本の規則で運営経験が豊富なものと規定することは運営側に有利な判断をするのではという疑義があるので、文面としては適切でないと思います。)
議論はジュリー内で行われるべきであり、EAはその議論に加わってはいけません。(独立性が阻害されるため。)

これがちゃんと働いていれば、内容が自分にとって不利で、納得がいかなくても受け入れはできるのではないかと思います。

また、調査依頼、提訴の提出者に気を付けてほしいことがあります。調査依頼という言葉が問題なのですが、基本的にコンプレインは自分の要求を示すもので、調べてくださいという形はとりません。具体的にどうしてほしいかを書いてください。受け入れるか、棄却するかを選べるような形での提出をお願いします。その結果は他の競技者に影響する可能性がありますので、提訴は調査依頼の提出者以外でもできます。
そして、不服がある場合は調査依頼の提出をためらう必要はありません。調査依頼、提訴はJOAに報告され、議論されるため、次の大会コントロールに役立ちます。お互いに面倒くさくはありますが、将来的に関連するみんなにプラスとなるのです。
posted by べん at 22:23| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする