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2018年12月24日

競技規則とはなんぞや

オリエンテーリングの競技規則というと皆さんはどういう感じを受けますか?
難しい、面倒くさい、そんな感じですか?

 競技規則は、オリエンテーリングという競技を守り、発展させるため、またこの競技に関連する競技者、運営者、観客または一般の人を守るため、かつ楽しんでもらうために存在しています。

 オリエンテーリングは多くの競技外の人との接触があり、その時々の気候など状況に影響されやすく、年代もバックグラウンドも異なる人たちが一緒に楽しむという特性をもつため利害相反が生まれやすい競技です。もしそのときに判断の基準が各々違っていたら、どうでしょうか?その状況で良い解決方法を見つけるのは困難です。その時の判断の基準となるものが規則です。規則をもとに討議することで、お互いの合意を形成し、物事をスムーズに進めることができます。

 今回、IOFのイベントアドバイザークリニックに参加してきて、提訴の例をいくつかきいてきましたが、その基本となるのは必ず競技規則です。そのうえで情報を収集し、討議します。一方で、規則を杓子定規に運用するわけではありません。スポーツマンシップにのっとり、重大な違反でない限りは柔軟なルール運用も行います。
 もちろん、それには正解というものはなく、その解決策は全員を100%満足させるものではありません。しかしながら、規則を重視し、討議を尽くしたという過程をつくすことで関係者の納得を得ることができるのです。

 日本で大会をやるごとに(特に公認大会)いろいろな問題が生じるのは、競技規則が何のためにあるのかを知らないで競技規則を扱っているためです。素直に競技規則に従えば問題が生じない部分でも、運営者は、自分たちのやり取り方と違うから、面倒だからと規則に反したことを行うことがあります。しかしそのことで、提訴事項を誘発し、不成立という最悪のシナリオに進むことにもなりかねません。不成立となれば、運営者にとっても参加者にとってもこんな不幸なことはありません。競技者も自分が判断に納得いかないからと、規則にのっとって対応している個人を攻撃するようなことはするべきではありません。運営者も参加者も、少し面倒でも規則を意識して行動することで、競技を安心して楽しむことができるのです。
 そして規則にのっとって行動したときに問題が生じるようならその規則の変更を検討することを躊躇するべきではありません。(日本の競技規則は意図したものかそうでないかはわかりませんがIOFのものと合致していない部分があります。)

 運営をしているとやりたいことがたくさん出てきます(それ自体はとてもいいことで、運営のモチベーションとなり、参加していて楽しい部分でもあります。)。その中で規則通りにやることにエネルギーを使うのは大変かもしれません。しかしながら、不成立を出したり、参加者から多くの不満が出たりすれば、運営者も不幸ですよね。競技規則を守ることはそのための保険だと考えてもいいかもしれません。
 大会で競技規則を遵守することには、教育的側面もあります。競技規則を守らない大会がたくさんあれば、それが規則だと新しい参加者は思ってしまいます。正しい規則が身についていれば(当たり前であれば)それを導入することに面倒くささは考えないでしょう。一度間違った規則が身についてしまうと、それを修正するのを面倒だと思ってしまうのは仕方がないことです。競技規則にのっとった大会を行うのは、新しく仲間になる人たちへの教育でもあります。まともに規則を読む人はそんなにいませんから、これはとても大事なことです。
 もちろん、大会の状況によっては守ることが困難な場合があるでしょう。そうした場合はイベントアドバイザーの許可を得て変えることができます。ただ、このルール逸脱を広報しない大会が多いです。ルール逸脱事項は認められていることで、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。ただその場合にはプログラム等で公表するという規定がありますの忘れず広報をお願いします。これも規則を皆さんに理解してもらうという教育的配慮からだと考えられます。

 最後にもう一度いいます。競技規則は皆さんを縛り、罰するためのものではありません。皆さんを守り、問題を事前に防ぎ、関係するひと全員がこの競技を楽しむためにあるものです。

 本来オリエンテーリングは楽しい競技です。年をとっても楽しく続けたいし、多くの人に参加していてもらいたいと思います。そのためにみんなでちょっと面倒くさいことをみんなでクリアしていきましょう。習慣になればちっとも面倒ではありませんよ。

皆様に理解を深めていただくために、このあとしばらくルール解説記事を続けたいと思います。規則を読み込むのは面倒ですからね。次はイベントアドバイザーとは何か。その次は裁定委員会とは何かについて書く予定です。
posted by べん at 06:50| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月29日

香港キャンプモデルコース

香港ジュニアユースキャンプが無事終了しました。
インターハイでの結果を見るとこの1週間で良くこちらのテレインに対応したものだとびっくりしています。
さて、3日目に行ったモデルレースのコースを公開します。
今回の参加者は中学生14人+20歳2人で、技術的には3−6のレベルでコースを提供することが求められます。
レベルを変えるどうしてもコントロールが増えるのですが、少人数運営+複数日トレーニングということで、できるだけコントロールを減らしたい。そこで難しいコントロールでもコースの組み方で技術相当の課題にもっていく工夫をしてコースを込みました。もちろん給水も必須です。
毘沙門山23(2).All.jpg
毘沙門山23(2).S.jpg
毘沙門山23(2).M.jpg毘沙門山23(2).L.jpg


レベル2−3のコントロールは37,41,36の3つ、5-6用は32,35,42,44,39で半数をレベル4のコントロールで組みました。
まずざっとコースの流れを決め、参加者のプロフィールとコース希望を参考に机上で2回ほど修正、現地確認をして(主に可能度と道、視認性の確認)コースを決めました。
参加人数が少ないので、とんでもない方向にいって一人になるリスクをさけるために全体の流れは同じにしてあります。少人数のイベントでは流れや区域を絞ることで捜索の範囲を絞ることをお勧めします。
初級者に現在地を把握させて安心させるために37は必須のコントロールです。上級者になると分岐は簡単にわかると思ってしまうのためコントロール数を減らそうとするとついつい省きたくなりますが、これがないと次の34のコントロールが非常に難しいものになってしまいます。38も初級者には難しすぎるように見えますが、給水所を置くことで37と同じ効果を狙っています。もちろんコントロールを置いてもいいですが、レッグの中間でチェックポイントとして位置を把握する経験をしてほしくてあえてコントロールを置きませんでした。
38のコントロールはこぶの南の根元になっており上からのアタックなのでSクラスの参加者には容易に見えるようになっています。一方でM.Lクラスのレッグ方向からはすぐ見えないようになっています。

同じコントロールでもレッグの配置、置く位置などで、簡単にもなり、難しくもなりえます。コントロールを減らす際にはこうした工夫もしてみてください。

マススタートのほうも人数が少なくすぐ割れてしまうことが予想されたので、最初のコントロールで正しい方向を選ぶ課題を入れました。このテレインは谷が非常に険しいことが下見でわかったのでで一番体力のないクラスは谷越えの手前で引き返すように修正しました。ベテランクラスのコースでもこうした配慮は必要ですね。

マススタートでも全体のタイムがそろい終盤で合流するように全体の流れを決めてあります。マススタートのいいところは練習時間の短縮ができ、撤収時間が読めるところにもあります。

不動の北23.relay11.jpg不動の北23.relay21.jpg不動の北23.relay31.jpg

この日はレース形式を2本やるということで、暑さも考えて最初のフィニッシュから公園までは車輸送とし、昼は1時間半以上の休憩をとっています。
小百川さくら公園は東屋、トイレもあり、近くに川も流れていて十分に休息ができてリフレッシュしてもう1本走れたのは良かったです。

よろしかったら、このメニューやってみてください。日帰り練習会で十分楽しめますよ。(もちろん届け出は出して地図は購入してくださいね)

毘沙門山の植生もちょこっと直しておきました。香港キャンプの記録はラップセンターにあげてもらっています。






posted by べん at 15:08| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月28日

クラス分けと難易度

 ストックホルム行きの列車が大幅に遅れているのでオーリンゲンのコースの難易度分けと全日本の難易度分けについて書いてみます。
難易度については8段階のカラーシステムが使われています。日本の技術教本では多少異なる部分がありますので1-6のレベル分けで表していますが、基本は同じです。拙い訳ですがご覧ください。
 
原文はこちらから
http://www.oringen.se/213/english/hoga-kusten-2018/competition/difficulty.html


コースは明確でつながった道や太い歩道、建物や開けた土地がある場所に組まれる。
緑コースのコントロールはハンドレイルの上にあり、競技者が正しいルートをたどれる安心感を与えられるものでなければならない。コントトールの特徴物は道の曲がりや分岐、電波塔、建物など明確なものである。

テレインは緑とおなじである。白コースのコントロールはレッグの終わり次のコントロールへの始まりとして明確に置かれなければならない。したがって特徴物はわかりやすく確実にそれとわかるものでなくてはならない。コントロールの特徴物は、岩や崖、柵などにも置かれる。
黄色
テレインは少し難しくなるものの走行性と視認性は確保されなければならない。
つながった道、歩道、柵、水路、開けた土地などがないといけない。コントロールの特徴物は少し難しくなり、とても明確な丘の上などにある。しかし明確なアタックポイントと背後にわかりやすいキャッチングフィーチャーがないといけない。
オレンジ
オレンジと赤のテレインははなだらかな丘と走りやすい森からなる。耕作地もあったほうが良い。テレインの細部は明瞭でなければいけない。これまでのクラスからすると難しい特徴物が使われる。広い沢や明瞭な尾根、丘、崖などである。コントロールの近く200m以内に明瞭な特徴物があり、背後にはわかりやすいキャッチングフィーチャーが必要である。

オレンジと難易度は変わらないがすべてのテレインが使われる。
パープル
すべてのタイプのテレインが使われるが、体力的に非常に厳しい場所は避けられる。すべてのタイプの特徴物が使用される。このレベルではプランニング技術、安全で速いルートを選ぶ能力、後方にわかりやすいキャッチングフィーチャーがない状況でコントロールを見つける能力が求められる。

難易度はいかなるオリエンティアも楽しめるように技術の高いオリエンティア向けである。
ち密であったり、小さな地形的な特徴物が使用される

難易度は青と同じだがすべてのタイプのテレインが使われる。

オーリンゲンの難易度分けをざっと書いてみると。
緑:初心者、学校の授業クラス
白:10
黄色:11-12
オレンジ:13-14
パープル:15-16
黒:18-65
青:70-
エリートも黒で難易度に変わりはありません。

各年代にショートコースがあって、21以上はショートコースの難易度は一般と同じですが、20以下のショートコースは難易度が1ランク下がっています。

21以上はレクリエーションコースがあり、難易度はオレンジと赤(技術的には同じでテレインの質が異なるだけ)
となっています。

日本の難易度はどうかというと、実はJOAには規定がありません。
ここ2年の全日本で私が行っている難易度分けは以下です。
ちゃんと議論してもラテはやく組織として決めてもらえるといいのですがね。

10: 1(緑レベル)
N、12、15B:2(白:易しめ)
15、18B、C:3(黄色)
18、20B、B:4(赤、年配Bはオレンジ)
20:5(パープル:易しめ)
21−65:6(黒:易しめ)
70−:6(青:易しめ)
エリートも黒です。(Aと同じです)

若年層がかなり易しいですね。一つは層が薄いことと、経験が少ないこと、そしてテレインがきつく見通しが悪いので安全性確保の為にそうしています。(今年の椛の湖は見通しがいいので若干むずかしめに設定しました。)
ただ日本には飛び級ルールがありますので経験豊富であれば1ランク上に出場できます。
そのルールを生かした形で易しめの設定をしたということもあります。

全体的にも難度が抑えられているのは、2つの理由があります。
ひとつは、テレインの制限によって黒や青に使えるコントロール設定がやりにくいこと。
もう一つはあえて難しいコントロールにすると(日本では藪の中とか斜面に置くしかないですね。藪の中でもコントロールフラグが埋まらないようコントロールの周りだけ草を刈るということで対応できるかと思います。)制限時間外が続出する、トリッキーだと怒られるおそれがあります。

だから実は日本の多くのコースがこちらでいうパープルどまりです。
それで何が起こるかというと、難しいところでしっかり止まって読むとか、アタックで慎重にやるとかいった習慣が付きません。それで海外ではミスが減らないことになります。
世界で通用する習慣をつけるのはこの難易度設定では難しいと思います。

だから難しくしろと一概には言えません。現状で安全を確保したうえで皆が楽しむ大会をやるのか世界標準を目指すのかによって異なります。
いずれにしろこれは個人の考えでなくてJOAでどの方向に持っていくかしっかり議論して必要があります。
難易度の設定やクラス分けは、競技の根本的な問題ですので、いくらでもご協力したいと思いますがなかなか機会をもらえないのが残念です。
posted by べん at 18:20| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする