2015年02月07日

速く走ることを意識したトレーニングの弊害

前の記事は、スピードトレーニングをしなくていいという話ではありません。
 トレーニングの中にスピードトレーニングを組み込むことは、オリエンテーリングに必要な速筋を刺激したり、無酸素能力を上げるという意味でも有効なことです。問題はトレーニングの目標をどこにおいているかという1点です。
 世界のトップ選手とは走力が違いすぎるから走力を上げるというのはわかりやすい考え方ですが、それでいままで成功していますか?まずは彼らが森を速く走れるようになったプロセスを考えるべきです。
 たとえばあなたが5000mを15分で走れたとして、そのスピードでナビゲーションができるでしょうか?あなたの森でのスピードを遅くしている原因はどこにあるのでしょうか?
 足が速くなったところでナビゲーションがうまくなるわけではありません。でも逆はあり得るのです。ナビゲーションがあるペースでこなせるようになれば、競技会や練習でのテレインでのスピードは上がります。テレインでそのスピードで難なく走れるだけのランニングテクニックが備わればさらにスピードを上げたナビゲーションが可能になります。彼らはオリエンテーリングをすることでスピードトレーニングも同時にできているのです。
 逆に足だけが速くなると、足で稼ぐことを考えるようになります。地図を見るために立ち止まっても走って取り戻せばいいやとか、どうせこのスピードで地図を見ても無理だから地図を見ないとか、ナビゲーションの手続きをおろそかにするようになります。これでは如何に普段のトレーニング量を上げても相対的にオリエンテーリングは下手になるばかりです。
 中級の選手では走れは成績が上がるということはあるでしょうが、体力的に余裕ができ、最後まで持つようになるとか、集中力が持続できるようになるとかが第一、次に体力が付いたのでより長いオリエンテーリングができるようになり、練習量が増えるとかいったことが第二の理由のような気がします。(中級選手ではある程度ナビゲーションはできますからそれに体力が追い付いたためですね。)
 逆にある程度トレーニングをしているトップ選手が走行距離を増やしたところで、またスピードトレを積んだところで大きな変化が得られないということになります。(体力>ナビゲーション能力であるときに体力を上げてもバランスが取れないでしょう。)
 これは、彼らにとってはこれだけやっているのに成績が上がらないということになり、モチベーションwの下げることになります。だからみんなあきらめてしまうんだと思います。
 ナビゲーション、不整地、ペース走この3つをつねにからませたトレーニングを考えてやっていけば今より少ない時間でより効果を得られるはずです。
 
posted by べん at 14:58| Comment(0) | for ATHLETE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オーリンゲンアカデミー

  オーリンゲン大会に併設して、オリエンテーリングの講習会が開かれます。
  場合により参加費の援助が受けられます。各国のオリエンテーリングの発展に寄与する人材対象ですが、2016の世界選手権に出たいと思っていて北欧のテレインを経験してない選手にはいい機会です。
  トレーニングキャンプや、ワールドカップなど準備の方法は他にもありますが、いずれにしろ北欧を一度も経験せずにスェーデンの世界選手権は無しですよ。

http://www.oringen.se/english/about/oringenacademy/academyinternational.108_en.html
エリート選手のための講習は今年はないようですが、たぶんそのレベルではないし、コーチングセッションを選べば得るところは大きいとは思います。ビデオには李君が映ってますね。
posted by べん at 09:29| Comment(0) | for ATHLETE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月31日

強くなるために必要なトレーニング量

 強くなるためのトレーニング量は?と聞かれたら、それは目標によるねと答えることになります。
 
 例えばJWOCに出るだけなら、インカレで勝つだけなら、毎週1-2回トレーニングして、週末に大会に出る。大会の前に1-2か月トレーニング量を増やすぐらいで十分でしょう。
 ただこれは、ある程度体力がある人にとっては体力的に強くなっているわけではなく、経験によりスキルが上がっているだけです。
 だから、ある程度経験値が上がっていくといずれ伸びを感じなくなります。そこでトレーニングの量を増やしたり、外の合宿に参加してみたりします。

 ところがハイレベルになればなるほどトレーニング量の増加と競技結果は明確ではなくなります。
 10回に8回ミスをしていたものが10回に2回となれば、成績が大きく改善することで自分の上達を意識でき、新しい事を覚えている満足感があります。一方、20回に1回のミスを30回に1回にするということになると改善を感じるのには忍耐が必要です。しかも、新しいことでなく同じことを繰り返し練習するだけなのでちっとも面白くありません。これが対戦種目であるなら、相手をやり方を見て自分の足りなさをわかり、相手の反応をみて上達したことを感じられますが、オリエンテーリングのように自分相手のスポーツではそれもできません。
 さらに練習量を増やしてもたいして変わらないならとたいていはそれを自分の実力はこれまでと考え、上を目指すことをあきらめてしまいます。
 特に努力が習慣にならないうちにいい思いをしてしまうとその後の努力はしにくいものです。

 このスポーツを極めたいと思っているならばJWOCの代表選手を目標にするのは利口ではありません。もしそうなら、彼ら以上の努力はしないでしょう。じゃあWOCの代表選手を目標にするのか?予選通過すらできなかった選手と同じことをしてもやっぱりそこまでしかたどり着けないでしょう。
少年野球選手が例えばイチロー選手を目標とし、彼がどんなことをしてきたか検討し、同等かそれ以上やろうと思わなければすくなくとも将来大リーグの選手にはなれません。

 目標とするなら海外のトップ選手達を目標としましょう。彼らがどれくらいのトレーニングをしてきたか、現在どんなトレーニングをし、どんな考えを持っているのか知りましょう。もちろん住んでいる場所も、森でのトレーニングの機会も、コーチやクラブの存在も自分とは違います。その時はどうすれば同じようなトレーニングができるか考えましょう。そして何年後かには彼らと同じ(それ以上の)トレーニング量をこなせるようになろうと思いましょう。そうすれば今やるべきことはおのずと明確になります。

 2×7×52×10.これはチャンピオンになるための数字です。
 1日2回、毎日、52週間、それを10年。
 そうすればもしチャンピオンになれなくても限りなくその近くに行くことができます。
 そうしなければその差を縮めることすらできません。

 そんな時間をとるのは難しいですか?そんなことはないでしょう。中学・高校で一生懸命やっていた部活動ならすでに6年やってきているはずです。それをもう少しオリエンテーリングのために続けませんか?
 
 努力できない選手に成功はありません。努力できない選手を何回世界大会に出しても結果は同じです。地図読みがうまい、走るのが速いというような様々な才能をもった選手はいるでしょう。ただ、努力を継続できる才能こそが日本チームにもっとも必要な才能だと私は思います。
posted by べん at 14:37| Comment(0) | for ATHLETE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする