2017年06月27日

全日本小ネタ@

今回の全日本大会ではヨーロッパでみられる小ネタをいくつか導入しています。
まずはスタート方式。
 地図をセルフピックアップ方式としました。
 参加者が自分の責任で地図をピックアップする、間違った地図をもって走っても運営者に責任はないというシステムです。(もちろん運営者がいい加減に地図を準備していいわけではありませんよ。)
 全員がスタートラインに並んでいるわけではありませんが、地図を拾う位置は各クラスの参加者で同一ですので、不公平はありません。
 運営者が地図を渡すのは親切かもしれませんが、それによって参加者が不利益を被るのは本末転倒ですし、まじめなスタート役員の精神的負担も大きいです。(ワールドカップでも役員に地図を渡された女子選手が一番にたどり着けずに戻って再スタートしたという例もあります。)セルフピックアップを導入することで、スタート役員の仕事も減り、少人数での運営が可能となります。
 今回は地図の裏にコースを入れて参加者が確認しやすいようにしていますが、両面印刷は印刷時のエラーの可能性もあるし、印刷の時間もかかるので、表面の端にクラスを印刷し、そこだけが見えるように地図を置くのが良いかと思います。
 ぜひこれをスタンダードにしてほしいと思います。
posted by べん at 21:16| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月24日

地図作成者および仕事依頼者に望むこと

地図を作成したことのある方に質問します。
原図の縮尺はいくつでしたか?

 地図作成に関しては、10000の地図でも15000で作図し、それを10000に拡大印刷することが基本です。10000の地図を作成して15000にしてはいけないのです。
 倍縮尺での調査ということであれば、7500で調査するのが適正です。

 日本人の特性なのでしょうが日本の地図は細かすぎです。もともと細かい国民性の日本人が5000原図で調査しては競技者が地図を読みにくくなるのは当たり前です。
 記号には最少寸法があるのですが、ほとんどの地図でこれが守られていません。あまつさえルールにない記号を使用したり、記号を小さくしたりしてより詳細に表現しようとする人もいます。補助コンタはできるだけ使わないのがプロの仕事です。

細かく調査することで起きる不都合はたくさんあります。
@調査コストが上がる。
A調査期間が長くなる。
B地形があるところだけ細かく調査されて、全体の均一性が損なわれる。
C地図が判読しにくくなる。
Dエリートが速くならない。

Dはエエッて思うかもしれませんが、日本の地図(それも良いといわれている地図)で走っていると細かい特徴物でも地図に書かれていると思ってしまうため、海外でレースをする際に余計な地形に引っかかってミスをする。もしくは余計なところで地形を拾おうとするので走行速度が遅くなるなんて影響が出てきます。

というわけで、地図作成の仕事を頼む際には依頼側も完璧な地図の作成を求めるのではなく、地図が全体として均一であること、範囲全体を網羅していること、最少寸法を守っていること、そして納期を守ること(これ大事)を優先して依頼されると良いかなと思います。
最少寸法で入りきらない小さな崖が入っていないとか、小さな藪がかいてないとかのつっこみは避けていただきたいなあと思います。
posted by べん at 18:23| Comment(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コースプランナーのお仕事

コースプランナーのお仕事
今回の全日本のコースプランナーを受けるにあたり、コース設定の原則に従って役割を全うすることを目標としました。
コースプランナーはただコースを組むだけではありません。スタートからフィニッシュまでのコース全般に責任を持つのが仕事です。机上でのコース作成や調整以外にスタートからの誘導、コントロールの設置位置、レッグ途中のメインルート、給水所の位置、事故の危険性の排除などについてテレインでの作業が必要となります。これらは通常の大会では、競技責任者やコントローラ(運営主体でないコントローラがすべての点検リスト3.7.2にあるコントロールの確認をすべてやるのは負担が大きいし、直前で位置変更するのは危険が大きすぎます。)と分担していた(もしくは任せていた)仕事でもあります。責任範囲が広がることで、コースプランナーの仕事量は多くなりますが、責任の所在が明確になり、競技責任者やコントローラはチェック仕事に専念できるメリットがあります。

さて、実際に必要な仕事を上げてみると
1.競技に使える地域の把握(渉外担当者、地図作成者からの情報提供)、事故の可能性のある場所の現地確認。(現)
2.机上でのコース設定。試走用コースの準備
3.ルート確認、距離決定のための試走会(第1回試走会)の開催(現)
4.机上でのコース修正。コントロール位置の決定。
5.現地でのスタート、フィニッシュ、コントロール位置の決定。コントロール周辺の地図修正。給水、誘導の位置確認(現)
6.コントロール(または杭)の設定および第2回試走会(現)

 以上から現地作業の日程を概算すると以下のようなスケジュールが望ましいです。
 3か月前 現地確認2日
 2か月半前 第1回試走会(試走用コース。)2日(設置1日、試走日は5の作業)
 ◎要項発表
 1か月前 フラグ(杭設定)第2回試走(本番用コース。基本この時期にコースは決定)3日
 〜2週間前 試走で疑義が出た場合の最終修正。必要に応じて。
◎プログラム発表、地図印刷開始 
 この後競技責任者に決定権を移行。
 前日 第3回試走。(急な変化への対応)運営者として参加 1日
 当日 運営者として参加 1日
 都合9日+αといったところでしょうか?

 もちろんこのスケジュールに載せるためには地図は3か月前までに作成されていなければなりません。
例えれば地図作成者は建築業者でコースプランナーは内装業者のようなものです。家が作りかけで内装を始めれば当然やり直し作業も出てきますし効率が悪いことこの上ありません。今回はこのような状況+建築作業まで請け負ってしまったために都合15日現地作業となってしまいました。これではコストがかかりすぎです。
 コースのスケジュールが遅れれば他の役員の仕事にも影響しますので、全日本の運営が今後も地元の協会でなく広域連合での運営となるのであれば、効率性の低下は致命的になります。プロデューサーとしてはこのあたりをしっかり管理していただきたいものです。
 (ここをちゃんとやってもらわなければ来年は受けられませんよ。今度は無料の宿泊施設があるわけでもなく、15日も現地に行っていたら完全な赤字です。)

 最後に地図に関する内装業者の仕事(地図修正。地図調査ではありません。)を披露しておきます。地図が本当に正確でなくてはいけない場面はアタック時にあります。地図業者は全範囲にバランスが取れた地図を提供することが仕事である(均一性が重要)のに対し、プランナーは競技者が速度を落とす場面(主にアタック)での地図の制度を上げることが仕事です。慎重にナビゲーションを行う場面での地図の精度が低ければ、競技者の不満を増すことになります。従って、プランナーが修正すべきなのはコントロールの周り(特にアタックポイントからの方向と距離)と大きな特徴物がなく集中力の必要なレッグが設置される地点となります。
 前者の例です。修正点は穴の北西の尾根を書いたこと(アタックにはいってここに尾根がなければ混乱します。)、また北の藪の角からは修正前の地図では下るだけですが、実際にコントロールに到達するには一度登らなければいけないためにコンタ書き換え、アタックポイントとなる小道の終わりや、分岐からの距離と方向を合わせたことです。
コース6.3fin.M602.jpgコース6.3fin.M60.jpg
 穴の中央においていいのかという議論がありましたが、そこへ確実に到達できる周辺の地図精度があれば穴の中央においてもなんら問題がないのです。
 
連続した細かな地図読みが予想される地域については全般的に修正しました。
矢板日新山田170407.gif矢板日新170614fin15.gif
矢板日新山田170407siti.gif矢板日新170614fin15siti.gif

コントロールが置いてある位置やそこに至るルートに修正が施されています。

 次はコントロールを置く位置についての修正です。
コース6.3fin.M452.jpgコース6.3fin.M45.jpg
最初の位置は尾根音北東の部分であったものを曲りに変更しました。なぜそうしたのかは実は地図の問題ではありませんでした。現地で最初の位置には太さのある木が何本かあり、どこから侵入するかによってフラグの見え方に大きな差があったからでした。
こうした地図からは読み取れない見えにくさは競技の公正を維持するために排除されなければなりません。穴の話でいえば穴の中央に置くことも可能ですが、そこに草が繁茂してフラグが隠れてしまうようでは公正さを維持できません。(というわけで一部の穴の草刈りもしました。)

この草刈りもお仕事ですね。
溝.jpg溝地図.jpg
こちらは危険性の排除です。もちろん草刈り自体は他の方でも構いませんが、前日はコースコースプランナーが一番暇みたいだったので私がやりました。(そういう状況になっていて良かったです。)

最後に直前の木曜日に変わった部分。
矢板日新170614最終前kuria.gifkuria2.jpg
前週末にこのコントロールを見に行って周囲を全面修正したのですが、夕方だったことと適切な原図が手元になく、概要を修正したうえで最終確認を他人に任せてしまったコントロール位置です。(日曜日に見に行けばよかったのですがNクラスのコースチェックが未実施で、体自体もかなり疲れ果てていたもので、こちらをお任せしてしまったのでした。)最終原図が上がってきたのを見たところ、左のような表現に。コントロールのあるクリアリングが南の3つのクリアリングの延長線上にあるように見えますが自分の修正では45度くらいの角度があったので、このままほうっては置けません。なんせ今回の新生全日本で失敗したら次はないくらいの気持ちでしたから。
金曜日の朝一でどうしてもチェックしたいと食い下がったところ、木曜日中に山川氏が確認に行ってくれて右のような表現に戻りました。
他が全部完璧でも一つのコントロールでもおろそかにすると全体の評価が下がってしまう。すべてのコントロールの最終確認は自分でやらなきゃならないとあらためて思った次第でありました。

エリートの皆さんはこの違いを感じてくれたかな?
posted by べん at 18:17| Comment(0) | 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする